
刈払機(かりはらいき)は草刈り作業の時間を大幅に短縮できる便利な道具として、多くのシーンで活用されています。しかし、実際に刈払機を使うとなると、怖いと感じたり不安になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、刈払機を安全に操作するための講習や資格についてわかりやすく徹底解説します。業務で使う方はもちろん、個人での利用を考えている方にも参考になる内容なので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
刈払機とはどんな機械?

刈払機は、高速回転する刈刃で草を刈り取る機械です。用途は農地や法面の草刈りから林地の笹刈りや除伐まで幅広く、使用することで作業効率が大きく高まります。
刈刃は金属刃や樹脂刃、ナイロンコードなど用途によって使い分けますが、いずれも高速で回る刃を操作することになるため危険が伴います。安全に使用するためには、作業機械の仕組みや操作の流れを理解しておくことが大切です。
3種類ある刈払機
刈払機は、作業姿勢や操作方法の違いから「Uハンドル肩掛け式」「ツーグリップ肩掛け式」「背負い式」の3種類に分類されます。もっとも一般的なのがUハンドル肩掛け式で、左右のブレを抑えやすく、平地での広い面積の草刈りに向いています。
ツーグリップ肩掛け式は小回りが利き、狭い場所や障害物の多い現場に適した構造です。背負い式はエンジンを背中に背負うため腕の負担が少なく、長時間作業や斜面の多い現場に向いています。作業環境に合ったタイプを選ぶことで、安全性と効率が高まるでしょう。
刈払機の操作に免許や資格は必要か

刈払機の操作には、法律上の免許はありません。ただし、業務として使用する場合は注意が必要です。ここでは、刈払機の操作に関わる免許や資格について、業務使用と個人使用にわけて解説していきます。
業務(労働)として行う場合は資格が必要
会社の敷地管理、農地管理、造園業務など、業務として刈払機を使う場合は刈払機取扱作業者安全衛生教育の受講が義務となります。これは免許制度ではなく、事業者が作業者へ教育を行う「法定教育」です。
教育内容には、機械の構造、点検方法、正しい操作、事故の防止方法が含まれ、作業者が危険を理解した上で作業することが求められます。未受講のまま作業すると、事故時に事業者の責任が問われるため、講座の修了証は必須といえます。
個人的な使用でも受講するほうがよい
自宅の庭や空き地の草刈りなど、個人が私的に刈払機を使う場合は資格や講習は義務ではありません。しかし、刈払機による負傷の多くが「操作ミス」「刃の跳ね返り」「飛び石」によって発生しています。
これらは、正しい姿勢や刃の当て方を理解すれば防ぎやすい事故です。特に初めて使う人や斜面など足場の悪い場所、石の多い場所で作業する人は、刈払機取扱作業者安全衛生教育で知識を身につけておく方が安心でしょう。
労働安全衛生法とは
労働安全衛生法は、働く人の安全と健康を守るために定められた法律です。機械の操作や危険作業を行う際に、事業者が講習や教育を実施し、適切な環境を整えることを義務づけています。
刈払機の場合も、回転刃による事故が多いことから、作業者に対して「安全衛生教育」を行うことが求められています。この法律により、事業者は作業者に必要な知識と技能を習得させ、危険を予防する仕組みを整える責任を負います。刈払機の資格が必要とされる背景には、この法制度が大きく関わっているといえるでしょう。
刈払機取扱作業者安全衛生教育について
刈払機取扱作業者安全衛生教育は、労働安全衛生法に基づき事業者が作業者へ実施する法定教育です。高速で回転する刈刃は事故が多いため、厚生労働省は機械の構造理解や正しい操作、危険予知を習得することを求めています。
受講内容・目的について
安全衛生教育の目的は、刈払機による事故を防ぎ、安全に作業できる状態にすることです。学科では、刈払機の構造、点検の要点、燃料・オイルの取り扱い、作業時の危険予測などを学びます。
実技では、始動手順、姿勢、刃の当て方、停止動作など、事故につながりやすい動作が中心です。厚生労働省は「機械の基本構造を理解し、正しい操作方法を習得すること」を重要項目として示しており、受講を通じて作業者が根拠を持った安全行動を取れるようになるよう進めていきます。
| 種別 | 科目 | 所要時間 |
| 学科 | ・刈払機に関する知識 | 1時間 |
| ・刈払機を使用する作業に関する知識 | 1時間 | |
| ・刈払機の点検及び整備に関する知識 | 0.5時間 | |
| ・振動障害及びその予防に関する知識 | 2時間 | |
| ・関係法令 | 0.5時間 | |
| 実技 | 1時間 | |
| 合計 | 6時間 | |
対象者
この教育の対象者は業務として刈払機を使用する作業者です。造園業、農業、森林整備、施設管理など、職務の一環として草刈りを行う人が該当します。また、新しく刈払機を扱うことになった従業員、季節作業で草刈りを任されるパート・アルバイトも含まれます。
厚生労働省は「事業者は作業者に対して必要な教育を行わなければならない」と定めており、経験の有無に関わらず受講が求められます。
有効期限について
刈払機取扱作業者安全衛生教育には、有効期限や更新制度はありません。労働安全衛生法上、この教育は一度受ければ生涯有効です。
ただし、厚生労働省は「機械の仕様変更や新しい作業環境に応じ、事業者が追加教育を行うことが望ましい」と示しており、5年ごとの再教育が推奨されています。
また、長期間作業していない場合や、危険度の高い現場に入る場合は、再講習を受けて知識を補うほうがよいでしょう。
受講するメリット
講習を受ける最大のメリットは、事故リスクを大幅に下げられる点です。刈払機による負傷は、刃の跳ね返りや飛び石など、正しい操作を知らないことが原因で起こりやすいとされています。教育を受けることで、危険につながる動作を理解し、トラブル発生時の対処も習得可能です。
また、業務では受講済みであると安全管理体制が明確になり、事業者の法令遵守にもつながります。個人利用の場合でも、基礎操作を学ぶことで安心して作業できるようになるでしょう。
刈払機を安全に取り扱うために

刈払機を安全に使うためには、正しい操作だけでなく、作業前後の点検や適切な服装が欠かせません。安全衛生教育では「保護具の着用」「始業点検」「周囲の危険確認」が基本動作として示されています。
保護具などで体をしっかりガードする
刈払機は飛び石や刃の跳ね返りによる事故が多いため、保護具の着用は非常に重要です。刈払機を使用する際は、保護めがねやフェイスシールド、防振手袋、耳栓、すね当て、安全靴などを着用するようにしましょう。
また、長袖・長ズボンを身につけることで、刈刃や植物による接触事故を避けられます。これらの装備は事故を未然に防ぐ役割があるため、経験者でも必ず整えてから作業に入ることが大切です。
刈払機の点検は毎回行う

刈払機は、作業前に必ず点検を行います。刃の取り付け状態、締め付け具合、燃料漏れ、スロットルの動き、肩掛けバンドの状態など、複数項目を確認します。
これらの不具合は事故の原因となるため注意が必要です。特に刃の固定不良は重大な危険を招く可能性があります。点検は慣れれば数分で済むため、習慣として必ず行うようにしましょう。
作業時に注意すること
作業中は、周囲の状況を常に確認することが重要です。作業半径5メートルから15メートル以内に人や物を近づけないこと、斜面では滑りにくい姿勢を保つこと、石や金属片など障害物を事前に取り除くことを守りましょう。
また、刃が地面に強く当たるとキックバックが起き、予期せぬ方向に刃が跳ね上がる危険があります。焦らず一定のリズムで動くこと、疲労時には休憩をとり、無理をしないことも事故防止につながります。
刈払機を使わずに除草する
刈払機は効率的な道具ですが、状況によっては別の方法で除草したほうがよい場合もあります。ここでは、防草シートを使用する方法や、業者へ依頼する方法について見ていきましょう。
防草シートを使用する
防草シートとは、地面に光の通さない素材を敷くことで雑草の発生を抑える方法です。施工はシートを敷き、必要に応じて砂利や舗装材で固定するだけのシンプルな手順で、メンテナンスの手間が大幅に減ります。
特に庭先・駐車場・家周りなど草刈りの頻度を下げたい場所に効果的です。ただし、シートの端部がめくれると雑草が生えることがあるため、施工の精度が仕上がりに影響します。刈払機の使用が難しい場所では、こうした予防的な対策が役立つでしょう。
業者へ依頼する
作業範囲が広い場合や不安を感じる場合は、除草の専門業者へ依頼する方法がおすすめです。プロは現場の状況を見ながら作業内容を選び、飛び石対策や周囲への配慮を徹底して作業を進めます。
作業後の片付けまで任せられるため、時間が確保しにくい人にも向いています。また、刈払機の操作に不慣れな人が無理をすると事故につながりやすいため、安全性を優先したい場合にも有効です。費用は面積や作業内容によって異なりますが、短時間で確実な除草が可能になります。
操作資格に関するよくある質問

ここでは厚生労働省の安全衛生教育の基準に基づいて、よくある疑問を整理しながらわかりやすく解説します。
実技試験はありますか?
刈払機取扱作業者安全衛生教育には、試験や合否判定はありません。労働安全衛生法で定められているのは「事業者が作業者へ教育を行う義務」であり、免許制度ではないためです。
講習は学科と実技の両方で構成され、受講者は基本操作や安全動作を実際に体験しながら学びます。点数評価や合格ラインなどは設けられていないため、受講すれば修了証が発行され、業務に必要な教育を受けたことが証明されます。
刈払機取扱作業者安全衛生教育の受講は必須ですか?
業務として刈払機を使う場合、実質的に必須です。労働安全衛生法第59条では、事業者が作業者に対して必要な安全衛生教育を行う義務が定められています。
免許や国家資格ではありませんが、教育を受けていない状態で作業をさせた場合、事故時には事業者側の責任が問われる可能性があります。したがって、業務使用では受講を前提に考える必要があるでしょう。
樹脂製の刃でも受講の対象になりますか?
樹脂刃(ナイロンカッターなど)を使用する場合も、業務で刈払機を扱うのであれば安全衛生教育の対象になります。刈払機は「可搬形の草刈り機械」全般として定められており、刈刃の材質によって教育の必要性が変わるものではありません。
樹脂刃でも飛び石や跳ね返りなどの危険があり、基本的な取り扱い方法は金属刃と共通しています。そのため、作業者の安全を確保するために受講が求められています。
自走式草刈機の導入の際も安全教育は必要ですか?
自走式草刈機の場合も、事業者は作業者に対して必要な教育を行う責任があります。労働安全衛生法は「機械の種類ごとに必要な知識・技能を教育すること」を求めており、刈払機と同様に危険を伴う機械であるためです。
また、自走式は操作範囲が広く、傾斜地での転倒や巻き込みなど独自のリスクがあります。安全性を高めるためには、メーカーの取扱説明書に沿った教育や実技指導の実施が必須です。
丸のこ・チェーンソーの使用も講習の対象ですか?
丸のこやチェーンソーは刈払機とは異なる機械ですが、業務として使用する場合はそれぞれ専用の安全衛生教育が定められています。丸のこ等には「丸のこ等取扱い作業従事者安全衛生教育」、チェーンソーには「チェーンソー作業従事者特別教育」などが存在し、作業内容に応じた教育を受ける必要があります。
これらは刃物を扱う点で共通しますが、構造や危険性が大きく異なるため、刈払機の講習で代替することはできません。各工具に合わせた教育を受けることで、事故を未然に防ぎやすくなります。
受講方法について
刈払機取扱作業者安全衛生教育は、主に「会場での講習」と「Web講習」、「講師が現場へ出向く出張講習」の3種類です。集合講習は定期的に開催されており、個人の受講に向いている一方、企業や自治体が複数名を受講させる場合は移動や日程調整が負担になることがあります。
Web講習は座学のみオンラインで受講し、実技は会場で受講します。時間のない方に向いている講習方法ですが、刈払機は危険性が高い機械のため、初心者には実技がセットになっている講習がおすすめです。
そこで近年増えているのが、講師が事業所へ訪問して行う出張講習です。自社の作業環境に合わせた内容で学べるため理解が深まり、移動時間も削減できます。効率よく受講したい企業・団体には特にメリットの大きい方法です。
メリット大の出張講習!受講するならフォレストデザイン
複数名の受講を予定している企業や自治体には、出張講習が非常に便利です。フォレストデザインでは、専門の講師が現場へ伺い、通常のカリキュラムに加えて「その現場固有の危険ポイント」まで踏み込んだ指導を行っています。
作業環境を実際に確認しながら進めるため、理解度が高まり、安全対策の改善にも直結します。また、移動の負担がなく、日程調整も柔軟に行える点も魅力です。効率と安全性の両方を重視する企業にとって、現場に寄り添った出張講習は最適な選択肢といえるでしょう。
まとめ
刈払機は、正しく学べば心強い道具ですが、知識や経験が不足すると事故のリスクが高まります。業務で使う方はもちろん、個人で使用する場合でも、刈払機取扱作業者安全衛生教育で学ぶ内容は大きな安心につながるでしょう。
「もう少し詳しく教えて欲しい」「自分の作業環境に合った使い方を知りたい」と感じた方は、早めに講習を受けておくことをおすすめします。出張講習なら移動の負担もなく、現場に合わせた実践的な学びが可能です。安全で効率のよい作業のために、今できる準備を進めていきましょう。
出張講習についてのお問合せはフォレストデザインまで
